栗山組担当 永原 / 安藤 / 内田

都市計画事業(合流改善) 片原貯留管築造工事 大手会社JVプロジェクトストーリー

大手ゼネコンとの共同での、35億を超える大規模工事を振り返りました。

MEMORIES 大手会社JVプロジェクトストーリー

請負額35億円で分かる通り、
全てにおいてスケールの大きな工事でした。

栗山組の中でも大規模となる、この工事についてお話を聞かせてください。

安藤:鳥取市で初のシールド工事という事もあり、いろんな方々から注目された工事でしたね。この工事は、鳥取市から設計施工一括方式で発注され、戸田建設/不動テトラと共同企業体としてタッグを組み、鳥取市役所周辺道路の地下へφ3500の貯留管を築造しました。請負額35億円で分かる通り、全てにおいてスケールの大きな工事でした。シールドマシンを使って、地中の土を掘り進める工程なのですが、その工程の事前準備として、マシンが掘進中にトラブルが生じないように、既存の地下埋設物の位置や深さを入念に調査する必要があります。鳥取市の中心部ですから、水道管やらガス管が密集してるんです。各関係機関や、現場の試掘調査を徹底的に行ったのがまず印象深かったですね。

内田:鳥取市のど真ん中の地中を、大きさ3.5mものシールドマシンが掘り進んでいくんですから、それはもうすごいことですよ。

安藤:マシンだけで1億円!(笑)

内田:自分は、その掘進していくシールドマシンの担当をしていたので、緊張の連続でしたが、設計施工ということもあって、自分達で考えた事が出来るというやりがいを感じながら業務に取り組んでいました。マシンは24時間動き続けるのですが、1日の進み具合が正しく設計書通りに進んでいるのか入念に確認してましたね。今思うと、改めて自分はかなり重要なポジションだったんだなと思いますね。この巨大マシンは、掘り切って、今ではそのまま地中に眠っているんですよ(笑) この工事でシールドマシンに関り、規模が大きい仕事を無事に成し遂げたことで、自分の中に自信がつき責任感も一層増しました。他社(しかも大手ゼネコン)と長期間一緒に仕事をしていくのは、正直、精神的に疲れる部分もありますが、それも今の自分の成長に繋がってると思えます。

3社共同事業では通常の仕事との違いはありますか?

安藤:安全管理のレベルの違いを痛感しましたね。ゼネコンとの仕事はいつもそうですが、安全管理がすごい。8:00~17:00まで、全てが安全管理という印象です。通常の現場では現場責任者が2名程なので、2人の目での安全管理ですが、規模が大きくなると10人位の現場責任者がいて、隅々まで行き届きます。言い方はよくないですが、仕事が進みにくいほどの安全管理の徹底ぶりです。

内田:本当に、安全管理の徹底さは強烈なインパクトがありました。今思えば、その当時からリスクアセスメントも実施していましたし。確かに、あれだけ大きな規模での工事では、ちょっとの妥協が大きな問題に繋がりますからね。

永原:安全管理にしてもそうですが、ゼネコンには組織力を強く感じました。現場単位ではなく、全ての事に対して組織で動いている。何かあれば、広島から直ぐに駆けつける。週に1回は、現場からも広島へ報告に行く。組織として全体が機能していて、責任者は全てを理解して動けていました。

大きな現場で得た経験を活かして、
栗山組の技術力に繋げていく必要があります。

この工事で大変だった事などはありますか?

安藤:この工事で、ヒ素と汚染土の問題がありました。これは人工的に作られた物ではなく、鳥取が温泉街ゆえに出てきてしまう、有害な物で残土処分できないものです。

永原:そのような問題が出た場合、以後の対策を発注者と相談して取り決めますが、ゼネコンは既に東京の研究所を動かし、発注者に対して劣らない技術力とスピードで対策を打ち出してきました。その時も高いレベルを感じましたね。

安藤:最終的には、県の生活環境課と相談し、クリーンセンターで仕分け、環境基準をオーバーしている汚染土については、こちらには処理施設が無いので、汚染土をセメント材料として再利用化する施設のある福岡まで、厳重な管理のもと船で運び出し、環境基準をクリアして、こちらで処分出来るものは、受入場所へという流れで解決しました。

永原:ただ受入場所がなかなか決まらず困りましたが、何度も足を運んで交渉し尽力しました。発注者等にも協力していただいて、なんとかまとめることが出来てこの問題は解決しましたが...大変だったな。

安藤:問題も無事解決でき、他の良い点としては、現場での近隣対応が行き届いていましたね。これだけの工事を市街地で行って、さほどの苦情もなかったですし。この工事が終わった時の達成感は相当なものでした。

内田:皆が一丸となって、皆で掘り進んで、到達した時のやり遂げた達成感、現場の一体感はすごかったです。

安藤:シールドマシンによる掘削は、セグメントというコンクリート製の板を組み合わせ、それを反力として掘り進むんです。 そのセグメント材料等は、地下に線路をひいてトロッコで運搬して日々少しずつ組み立てていきます。その気が遠くなるような繰り返し作業を続け、延長1657mを予定の場所まで到達することが出来た時の達成感は忘れることは出来ませんね。この工事を通じて、シールド工事という貴重な経験を得ることが出来たことは、土木に携わる者として非常に大きな経験となりました。

永原:大規模な現場はいろんな意味で良い勉強になります。日々行っている仕事も、期間の長さや関わる人数が違うだけで、規模は違えど基本的な事は同じです。大きな現場で得た経験を活かして、栗山組の技術力に繋げていく必要があります。

当工事と同じく、3社共同事業(鴻池組/青木あすなろ建設/栗山組)による工事を受注したようですが、意気込みをお聞かせください。

内田:この工事(貯留管工事JV)の経験があったんで、栗山組がこのトンネル工事を受注したのを聞いて気になりますよ。今から興味がわいてます(笑)

安藤:じゃーー、内田もこの現場の担当にしようか!!

内田:...それは、ちょっと待って下さい(笑))

安藤:トンネル工事は、25年前に実績がありますが、今の栗山組では初の試みですよね。会社としても初、個人としても初、興味ありますね。

永原:一山も二山も切るわけだからなぁ。土質の変化にどう対応するのか、どう施工するのか、通常のトンネルと違って特殊な形(曲線が大きい)であるし、いろいろと勉強になりそうです。

安藤:現場のパトロール/見学を実施して、出来る限り多くの社員に関わりをもたせていきたいですね。トンネル工事としてもそうですが、大型物件(25億円)を見てもらいたい。

永原:現場見学も実施していくし、足を運んでトンネルの状況を皆に伝えていくよ。なかなか経験出来る工事ではないから、良い機会が出来た。皆で興味をもってこのトンネル工事にむかっていきます。

三人:頑張っていきましょう!

工事概要
工事名 都市計画事業(合流改善)片原貯留管築造工事
発注者 鳥取市
所在地 鳥取市玄好町他
工事概要 シールド工事/発進立坑/流入管工事/小口径推進工/取付管推進工/開削工
竣工年度 平成22年3月
施工者 戸田建設・不動テトラ・栗山組JV
工事担当者 堀 昭(戸田建設)/中村 力男(戸田建設)/平野 勝志(戸田建設)/一星 昭二(不動テトラ)/内田 充(栗山組)
請負金額 3,571,969,800円
工事説明 大雨(ゲリラ豪雨、集中豪雨)による浸水被害をおさえる目的で、道路の下に大きなトンネルのような管を造り、そこに雨水を貯めて、安全に水を流すことが出来るようにするための工事です。管の大きさは3.5mありビル1階分の高さに相当し、それを1657m施工しました。